豊昇龍が横綱の意地を見せ、大の里に今場所唯一の黒星をつけた。過去の対戦成績は、豊昇龍5勝大の里2勝(うち1勝は不戦勝)ということで豊昇龍が圧倒している。 ただ、相撲内容は圧倒的ではなく、ほぼ毎回大の里が優位に展開しながら最後は豊昇龍の投げ技に屈する、というのもだった。 そしてそれは今場所も繰り返された。 豊昇龍の上手ひねりは見事だったが、大の里の重心が高く、左からのおっつけが甘かった。
今場所の大の里は、圧倒的な強さで横綱として十分にやっていける能力を示したが、まだまだ課題もある。 それは彼の伸びしろであり、課題を克服しながら成長していく姿を楽しもうではないか。
若隆景は6度目の技能賞獲得となった。
立ち合い当たるときの角度、足の運びが良く、脇と肘を締めて、差すにしても押すにしても手が下から出てくる。 アマチュアだけでなくプロの力士も若隆景の相撲を参考にしている。 以前は技術があっても、相手のパワーに屈してしまうところが見られたが、最近はそのようなことがない。今場所12勝を挙げ、大関昇進に向けて最初の一歩を踏み出した。
安青錦は「きょう勝てば」という条件付きの一番を制し、敢闘賞獲得。
私は条件なしで敢闘賞と技能賞のダブル受賞でよかったのではないかと思ったが、三役力士から1勝もできなかったからそのような条件が付いたのだろう。安青錦の強さの秘密の一つについて、日本人だからわかることがある。 実は、安青錦は日本語がとてもうまい。 だから、師匠や先輩のアドバイスがよく理解できるし、ストレスなくコミュニケーションを取ることができていると思う。
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