大の里は豪ノ山を一蹴して全勝をキープ。
大の里は綱とり挑戦中であるが、ここまでの相撲はすでに「横綱相撲」だ。 大の里の前に出る圧力は角界一、しかも飛びぬけているということは多くの相撲ファンが認めるところであろう。 それに加えて今場所はこれまでの課題とされてきたことを克服している。 それは、右差しに失敗しても決して慌てないようになったことである。 攻めは速い、しかし焦ったり慌てているのではない。 この相撲でも 大の里が右の下手を狙い、まわしに手がかかったものの、豪ノ山がそれをおっつけて外している。 今まではこうした局面で慌ててバタバタしたり、相手の頭を押さえて引いて墓穴を掘ることがあったが、今場所はそれがない。 しかし、まだ6日目で先は長い。優勝や綱取りが目前になった時でも同じ精神状態で同じ相撲を取ることができるのか注目したい。
豊昇龍は玉鷲との一番。
玉鷲は40歳とは思えない若々しい相撲を取ることで知られているが、今場所は様子が違う。立ち合いの当たりや突き押しに威力がなく、立ち合いは左にずれてそこからおっつける相撲が多い。 玉鷲の右ののど輪や突き放しは威力があるのだが、右ひじにサポーターをしており、相当痛いのであろう。豊昇龍にとってはイージーな取り組みだった。なお、私がこの取り組み動画について、もっとも言いたいことは、取組以外の部分にある。 動画の46秒あたりの部分で観客が大声で叫んでいる。 力士が最も集中したい立ち合い直前のタイミングで声を出すのはマナー違反であり、絶対にやってはいけないこと。 皆さんも生で大相撲を観戦する機会があるかもしれないので、よく覚えておいてほしい。カメラのフラッシュも同様である。
尊富士ー琴櫻
尊富士の相撲は緻密さに欠けていた。 立ち合いでせっかくいい当たりを見せたのに、自分より大きい・しかも大関を相手に胸を合わせ、胸で押していた。 立ち合いの形そのまま琴櫻の胸やあごの下に頭をつけて相撲を取るべきだった。 自分より大きい相手に差されてしまったので上体が起き上がったのかもしれないが。 上手投げも強引で、自分の懐へ相手を呼び込むような投げになってしまった。 体の開きが足りなかった。 尊富士は3連敗となったものの、明日戦う大の里にとって注意すべき相手であることには違いない。好調の若隆景は1敗をキープ
若隆景は前傾姿勢で低い位置から当たってくるので、高安は立ち合いにかち上げを選択した。 しかし、立ち合い当たった瞬間を見ると、高安は一歩も前に出ておらず、体が伸びあがって両脚が揃っている。 これでは威力もなく若隆景の上体を起こすことはできない。 若隆景は押し返そうとする高安をいなして勝負を決めた。この記事の英語版はこちら
Comments
Post a Comment