今日一番楽しみにしていた取り組みは大の里vs若隆景だった。
大の里は立ち合いもろ手突きで若隆景の上体を起こしてから右を差す、という作戦だったようだ。 一方の若隆景は鋭い立ち合いで右を差すとともに左手で大の里の右ひじを掴んで突き手を無力化させた。 その後も左からのおっつけで大の里に右差しを許さず、逆に左腕を差し込んでもろ差しになって大の里を追い詰めていった。 しかし、若隆景が下手投げを打ったところに大の里が体を寄せて寄り倒した。 最後の場面では下手投げではなく、右手で前みつを取って食いつけばよかったのではないかと思う。なお、複数の親方が、動画の37秒のところで大の里が左手で若隆景の頭をずらして体勢とテンポを変える動きを「非常に技術が高い」と評価していた。
初めての大関戦となる安青錦は、いつも通りの低い前傾姿勢からの攻めで琴櫻にまっすぐ引かせることに成功し追い詰めて見せ場を作った。
安青錦は土俵際あと一押しだったのだが、琴櫻を寄り切るにはパワーが不足していた。 1回目の左下手投げを打った直後に右の前みつを取っていたら勝てていたと思う。
豊昇龍は伯桜鵬を相手に薄氷の勝利だった。
立ち合い直後にまっすぐ引いたところにつけこまれて土俵際に追い込まれたが、足腰の強さで何とか残し、最後は伯桜鵬が自滅したことでなんとか勝利をものにした。 伯桜鵬は膝が内側に入る場面があり、今後注意しないと怪我をすると思う。
大栄翔に注目。
3敗しているものの、今場所の大栄翔は非常に内容がいいと思う。 今まではひたすら一直線に突いていって、その間に体が伸びて重心が上がり、相手に体を預けるのが早すぎて土俵際で引き技を食ってしまう相撲が多かった。 今場所は1回当たってから2回目、3回目と当たる間にいったん膝を曲げて重心を落として下から当たりなおすようになっている。 これから横綱・大関戦を控えており、要注目だ。
宇良が必殺技・伝えぞりを決め国技館を熱狂させた。
高安は手数の多い突っ張りで宇良を懐に入らせないように、宇良はなんとかそれをかいくぐって懐に飛び込む機会をうかがった。 我慢比べで勝ったのは宇良だった。 左を差し、土俵際まで攻め込むと、高安の左脇に頭をねじ込んで伝えぞりを決めた。 高安は1月場所に続いて同じ手を食った。 私でも宇良がそり技を掛けようとしているのがわかったのに反応できなかった高安はよほど調子が悪いと見える。
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